ストリーミング結果での複数ビューの処理

Goaの柔軟性により、結果型に対して複数のビューを定義でき、クライアントの要件に 基づいてデータの異なる表現を可能にします。ストリーミング結果を扱う場合、 ストリーミングされるデータが適切に表示されるように、これらのビューを管理する ことが重要になります。このセクションでは、GoaのDSLと生成されたコードを使用して、 ストリーミング結果で複数のビューを処理する方法を説明します。

Goaのビューについて

Goaのビューを使用すると、結果型の異なる表現を定義できます。各ビューには、 特定のユースケースやクライアントのニーズに合わせて、型の属性のサブセットを 含めることができます。

var LogEntry = Type("LogEntry", func() { Field(1, "timestamp", String, "ログエントリが作成された時刻") Field(2, "message", String, "ログメッセージ") Field(3, "level", String, "ログレベル(INFO、WARN、ERRORなど)") Field(4, "source", String, "ログエントリのソース") Field(5, "metadata", MapOf(String, String), "追加のメタデータ") Required("timestamp", "message", "level") View("default", func() { Attribute("timestamp") Attribute("message") Attribute("level") }) View("detailed", func() { Attribute("timestamp") Attribute("message") Attribute("level") Attribute("source") Attribute("metadata") }) })

この例では:

  • defaultビュー: 基本的なログ情報(timestampmessagelevel)を含みます。
  • detailedビュー: sourcemetadataを含むすべてのログ情報を含みます。

サービス実装でのSetViewの使用

複数のビューを持つ結果をストリーミングする場合、各結果を送信する際に使用する ビューを指定する必要があります。これは、Goaによって生成されたSetViewメソッドを 使用して行われ、ストリーミングデータのビューコンテキストを設定します。

設計例

var _ = Service("logger", func() { Method("monitor", func() { StreamingPayload(ViewSelector) StreamingResult(LogEntry) HTTP(func() { GET("/logs/monitor") Response(StatusOK) }) }) })

実装例

この例では、PayloadStreamingPayloadの両方を使用してビューを設定するため、 HTTPトランスポートを想定しています。

func (s *loggerSvc) Monitor(ctx context.Context, p *logsvc.ViewSelector, stream logsvc.MonitorServerStream) error { // クライアントのリクエストに基づいてビューを設定 stream.SetView(p.View) // ログのモニタリングを開始 for { select { case <-ctx.Done(): return ctx.Err() default: logEntry := s.getNextLog() if err := stream.Send(logEntry); err != nil { return err } } } }

クライアントサイドの実装

func monitorLogsWithView(client logger.Client, view string) error { // 目的のビューでモニターストリームを開始 stream, err := client.Monitor(context.Background(), &logger.ViewSelector{ View: view }) if err != nil { return fmt.Errorf("モニターストリームの開始に失敗: %w", err) } defer stream.Close() // ログを受信して処理 for { logEntry, err := stream.Recv() if err == io.EOF { break } if err != nil { return fmt.Errorf("ログの受信エラー: %w", err) } // ビューに応じてログエントリを処理 // デフォルトビューはtimestamp、message、levelのみを持つ // 詳細ビューはsourceとmetadataを含む processLogEntry(logEntry) } return nil }

ストリーミングでの複数ビューのベストプラクティス

  • ビューの選択: ユースケースに基づいて適切なビューを選択:

    • 基本的なモニタリングとアラートにはdefaultビューを使用
    • デバッグと詳細な分析にはdetailedビューを使用
  • パフォーマンスの考慮事項:

    • デフォルトビューは日常的なモニタリングのネットワークトラフィックを削減
    • 詳細ビューは必要な場合に完全な情報を提供
  • ドキュメント: 利用可能なビューを文書化:

// LogEntryのビュー: // - "default": 基本的なログ情報(timestamp、message、level) // - "detailed": sourceとmetadataを含む完全なログ情報

まとめ

ロガーサービスにビューを適用することで、異なるモニタリングニーズに適した 柔軟なデータ表現を提供できます。デフォルトビューは効率的な基本モニタリングを 提供し、詳細ビューは包括的なデバッグシナリオをサポートします。このアプローチは、 必要な場合に完全な情報にアクセスする機能を維持しながら、ネットワーク使用量を 最適化します。