堅牢なエラー処理の実装は、信頼性が高く保守可能なAPIを構築する上で 不可欠です。以下は、Goaベースのサービスでエラーを定義および管理する際に 従うべきベストプラクティスです:
説明的な名前:問題を正確に反映する明確で説明的な名前をエラーに使用します。 これにより、開発者がエラーを適切に理解し処理することが容易になります。
良い例:
Error("DivByZero", func() { Description("DivByZeroは、除数がゼロの場合に返されます。") })
悪い例:
Error("Error1", func() { Description("不特定のエラーが発生しました。") })
シンプルさ: サービス全体での単純さと一貫性を維持するため、ほとんどの エラーにはデフォルトのErrorResultタイプを使用します。
カスタムタイプを使用する場合: ErrorResultが提供する以上の追加の コンテキスト情報を含める必要がある場合にのみ、カスタムエラータイプを 使用します。
ErrorResultの使用:
var _ = Service("calculator", func() {
Error("InvalidInput", func() { Description("無効な入力が提供されました。") })
})
または:
var _ = Service("calculator", func() {
Error("InvalidInput", ErrorResult, "無効な入力が提供されました。")
})
カスタムタイプの使用:
var _ = Service("calculator", func() {
Error("InvalidOperation", InvalidOperation, "サポートされていない操作です。")
})
エラーフラグ: Temporary()
、Timeout()
、Fault()
などのDSL機能を
活用して、エラーに関する追加のメタデータを提供します。これによりエラー
情報が豊かになり、クライアント側での処理が改善されます。
例:
Error("ServiceUnavailable", func() {
Description("ServiceUnavailableは、サービスが一時的に利用できない場合に返されます。")
Temporary()
})
説明:ドキュメントとクライアントの理解を助けるため、常に意味のある説明を エラーに提供します。
明確な説明: 各エラーに明確で簡潔な説明があることを確認します。 これにより、クライアントがエラーのコンテキストと理由を理解できます。
生成されたドキュメント: DSL定義からドキュメントを生成するGoaの機能を 活用します。十分に文書化されたエラーは、APIコンシューマーの開発者体験を 向上させます。
例:
Error("AuthenticationFailed", ErrorResult, Description("AuthenticationFailedは、ユーザー認証情報が無効な場合に返されます。"))
トランスポートの一貫性: クライアントに意味のあるレスポンスを提供する ため、エラーが適切なトランスポート固有のステータスコード(HTTP、gRPC)に 一貫してマッピングされていることを確認します。
マッピングの自動化: 非一貫性とボイラープレートコードのリスクを減らす ため、Goaの DSLを使用してこれらのマッピングを定義します。
例:
var _ = Service("auth", func() {
Error("InvalidToken", func() {
Description("InvalidTokenは、提供されたトークンが無効な場合に返されます。")
})
HTTP(func() {
Response("InvalidToken", StatusUnauthorized)
})
GRPC(func() {
Response("InvalidToken", CodeUnauthenticated)
})
})
自動化テスト: エラーが正しく定義、マッピング、処理されていることを 確認するため、自動化テストを作成します。これにより、開発プロセスの早い 段階で問題を発見できます。
クライアントシミュレーション: 異なるトランスポート間でエラーが期待 通りに伝達されることを確認するため、クライアントの相互作用をシミュレート します。
テストケースの例:
func TestDivideByZero(t *testing.T) {
svc := internal.NewDividerService()
_, err := svc.Divide(context.Background(), ÷r.DividePayload{A: 10, B: 0})
if err == nil {
t.Fatalf("エラーを期待していましたが、nilでした")
}
if serr, ok := err.(*goa.ServiceError); !ok || serr.Name != "DivByZero" {
t.Fatalf("DivByZeroエラーを期待していましたが、%vでした", err)
}
}
これらのベストプラクティスに従うことで、Goaベースのサービスが堅牢で 一貫したエラー処理メカニズムを持つことが保証されます。GoaのDSL機能を 活用し、明確で説明的なエラー定義を維持し、徹底的なテストを実装することで、 開発者にとって使いやすく、エンドユーザーにとって信頼性の高いAPIを構築 できます。